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北広島カントリークラブにて

crimewave2008-08-30

 今日のゴルフは北広島プリンスホテル隣接のゴルフ場である。今日は24時間テレビのチャリティーテントが設置されている。練習場の緩斜面が、かつて幼稚園時代に息子が初めてスキーを習った場所であることに驚いた。今、ネットの張られている場所は、リフトが園児たちを乗せて、カラフルになる場所である。
 そんな想い出をこめた場所、プロの大会も開かれる美しいコースの中で、大いに歩き、札幌の山々を遠景に望みながら、純然たるスポーツとしてのゴルフ競技を楽しんだ。ぼくはゴルフが下手なんだが、最近は公式ルールに基づいた競技会にしか出ておらず、ノータッチ、完全ホールアウトというプレイになれている。でも楽しくゴルフトークで心を緩めながら、スポーツに集中する時間は、そうではない日々の労働を癒す貴重なもののように感じ始めている。
 昨夜のNHK番組で、富良野プリンスホテルの手放したゴルフ場を倉本聰が買い取って、木を植え、「自然塾」と名付け、子孫への文明論を語っているのを見た。ゴルフというスポーツが自然破壊しているというのもわかるが、一方で登山という健康ブームが山を汚染しているのも事実である。人間と自然は相いれないところがある。自然主義を高らかに歌い上げるのもいいが、人間の生活を守るという視点で見れば、エコにも限界はあり、譲歩点は必ずあると思う。自己満足の正義を、富良野で最も税金を多く払っている作家に振りかざさても、庶民の視点には決してならない。森の目線で描かれたニングルを、富良野演劇工場で観たぼくは、倉本さんのホンに感激したし、今でも最も好きな脚本家の一人である。表現の能力を授かった彼のような才能溢れるシナリオライターが、肉声で意見を語り始めてはいけないよな、と思う。影響力があるだけに、それは言葉の一つのパワーとまで感じる。芸術と評論は別物だと思うのだ。
 しかし番組の中でアメリカやオーストラリアの原住民であった人々が「自分たちは子孫から借りている」という意識にははっとさせられる。「人間は利息だけで生きてゆく、でも今は元金に手をつけてしまっているのではないのか」というアイヌ民族の国会議員であった故萱野茂氏の言葉にもはっとさせられる。倉本氏の肉声はストレートすぎ、いい子ちゃん過ぎてあまり感心することがないのだが(エッセイを含めて)、彼の脚本にはぼくははっとさせられ、時に涙を流す。説得力とは何なのだろうかと、彼のような存在を見るたびに、ぼくは時に世界に対する矛盾を感じてしまうのだ。