見慣れぬラッシュアワー

　急に道路が混雑してしまい、会社の職員たちは、危うく遅刻しそうになっている。かくいうぼくも、混雑の原因に思い至らなかったが、考えてみればサミットではないか。高速が止まってしまい、下道に流れた通勤の車たちは半端ではないはずだ。
　日中ずっと札幌は厚い雲に覆われている。サミット会場の洞爺湖の方では雨の中、TVレポーターがしらけたような表情をしている。暑くて湿気ているから、東京にいるのと変わらないような不快指数に唖然としているのだろう。
　七夕は圧倒的に曇りの日が多いという。東京は梅雨に入るからまだわかる。北海道も最近は梅雨がある、といわれるようになった。こうした気象変動の原因をつきとめて国際的に健康な地球に戻そうという議論が十分になされるといいのだが。北海道上空の、破壊されたオゾン層が、もう一度しっかり再生されればいいのだが。
　ずーんとのしかかるのが、コーマック・マッカーシーの『ザ・ロード』のイメージなのである。破壊され、死に行く地球を旅する父子のイメージなのである。ある意味、印象的なほどタイムリーな本になったか。