シュンの日記なページ

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幸福の時間

crimewave2008-06-23

 どんなに仕事が労多くして報われずとも、どんなに神経がささくれ立った日でも、どんなに血反吐を吐くような圧力に屈しかけた日であっても、夜に、幸福な時間を過ごす間に、ぼくはすべての労苦を忘れてしまえる。それだけ夢中になれるものがあって、そのことに実際に魂を奪われたように呆けていられる時間は、心の中で限りなく豊かだ。
 例えば、家に帰りビデオを回し始めると、グラスに入った黄金色のビールの泡の向うに出現するのは、スペイン対イタリアという黄金のカードである。いやあ、マルコス・セナが良かった。華麗なドリブルを披露するダビド・シルバがこの大会活躍が目覚しいが、中盤の底を支え、試合の舵取りをするスペイン唯一の黒人プレイヤー、セナのプレイは光り続ける。フィードの素晴らしさも目を見張る。
 何だかんだ言ってイタリア・ペースだったこの試合、PK戦を制し、準決勝に勝ち進むスペインの強さにホンモノを感じた。試合は90分で終らず延長PKに入ったから、140分位の間、完全に幸福の時間に、ぼくは包まれたことになる。
 さらに風呂上りに開く本は『傷だらけの天使』。どのページを開いても、いや、一行一行に、あの時代、あの神がかった俳優であるショーケンが息吹いており、そこに自分が生きた痕跡を感じざるを得ない。すべてを忘れ、一行一行に精魂を込めて読むことのできる自分の青春に対峙した本である。まさに幸福の時間!