シュンの日記なページ

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心に美味しい時間(とき)

 麻生にて酒を呑んだ。独りで行きつけの居酒屋に酒を呑みに行くということが元来好きだ。
 東京勤務時代には、週に三度は酒を呑んでいた。会社の仲間と会社の周辺で。あるいはJRに揺られて帰ってきた地元の駅付近の店で。
 とにかく週に三度は酒を呑んでいた。
 今では行きつけの店では「随分久しぶりじゃないですか?」と言われるようになった。この店には一ヶ月前に一度顔を出している。でもその前は半年ものブランクがあったろう。
 今日だって、一旦家に車を置いて、タクシーで出かけてくるのだ。帰りにはバスで帰って、タクシー代を浮かす。仕事帰りではなく、一旦帰ってから呑む習慣というのは、アメリカ人には普通であっても、日本人にはあまりない習慣ではないか。
 今日、中央区で講演会を会社の若い連中と聴きに行ったのだが、こういうところで勤務したい、というのが彼らの望みで、「大通り公園で弁当を食いたい」とか、「若い女の子がお洒落をして歩いているのを見ているだけで若返った気分になる」とか、「会社帰りにビールと焼き鳥をちょっと食べて帰りたい」とか言うセリフを吐いている。
 札幌の郊外の会社は地下鉄も行き届かないから車通勤の人が多いと思う。東京では当たり前のビジネス街の風景であっても、札幌ではとにかくそれは貴重だ。
 かくしてぼくもタクシーで繁華街に引き返すというような行動を取って、ようやく酒場のカウンターという幸福にありつけるのである。ここのところ年に4度か5度しか来ていないのじゃないだろうか。一人で呑むというスタイルをもっと大事にしなくてはいけないのかもしれないな。
 この日も常連さんと適度に会話を交わし、世界卓球を放映しているテレビを見上げながら、仕事場でも家庭でもない、特殊な時空を、呼吸するかのように味わう。胃袋にも、心にも、これはとても美味しい時間(とき)、なのである。