シュンの日記なページ

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30年目の叱責

 Y女宅にてふたたび車を交換し、私は家内の実家へ。前日飛行機にて(こちらも台風の影響はなかったとのこと)着いていた妻子を後に、すぐにバスで新都心駅に出る。新都心駅から大宮にJRで移動するが、この暑さがやはり耐えられない。構内のデパートの冷房空間にて時間まで涼む。

 高校時代の馴染みのある仲間たちと夕刻に再会する。中には30年ぶりとか、高校を出て以来という顔ぶれまで。大宮南銀座の町並みは昔から少しも変わっていない気がする。かつてはこの通りに大宮オリンピア劇場という名の映画館があって、ぼくはそこで「2001年宇宙の旅」も「ワイルド・バンチ」を見たのだ。ジョン・ウェインの西部劇や、クリント・イーストウッドのマカロニや、「ナポレオン・ソロ」のスパイ・シリーズに心躍らせたのだ。ネット検索してみると、今では大宮オリンピアはゲーム・センターに身を落としているようである。

 高校時代の先輩・同輩・後輩たちと懐かしい顔ぶれで酒を呑む。近況報告だけで時間がいっぱいになってしまう。二次会はカラオケに移り、しまいに男3人だけになって最後の店に入った。30年前のごくごく親しかった友に、なぜ小説を書かないんだよと激しく責め立てられたのが痛かった。才能、選択、人生、家族、様々な理由があり言い訳があるだけに何も言わないことが自分の中では潔しなのだが、高校時代から作家、作家と騒いでいた自分のその後の、山、仕事へと順番にのめっていった成人してからの私の人生のことを、彼は全く知らないし、敢えて尋ねようともしない。それが若き日の友人の眼差しなのだなと、納得できないこともない。彼は、ちなみに大学卒ではなかなかに難しい小学校の先生という当初の目標を実現させているのである。その上、熱く、たまらなく優しい男であり、変わらずに、今もそこに立っているのだった。