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鷲と鷹

crimewave2007-06-01

 キリンカップ 日本 2 - 0 モンテネグロ

 高原が、ようやく貫禄を身につけて還ってきた。まざまざと見せつける強さとテクニックを見ていると、一方で自身の出来の悪さに代表にも選ばれず、試合中、顔をしかめてばかりいる最近の小野伸二の顔が思い出される。

 静岡出身の二人は少年時代からずっと同世代のライバルだったのだが、高原がいつも優勝トロフィーを掻っ攫うチームにいるのに、伸二のほうは常に無冠だった。高校も同じだ。そしてJリーグでも高原のいたジュビロは王者で、その頃の浦和は無冠をかこっていた。

 鷲と鷹と言ってもいいほどの二人の天才的プレイヤーは常に互いのチームの牽引力だったが、とりわけ小野伸二の天才には華があった。浦和で活躍し、フェイエノールトへ移籍したかと思うと、あれよあれよという間に、UEFAカップの王者になった。無冠の天才伸二が世界の頂点に立った夢のような時間だった。

 高原が輝いているのは今である。伸二の時代は、まるで終わったかのようだ。昨季のレッズの優勝に貢献したかと言われると、やはり首を傾げるしかない。今の伸二は不調ではないまでも、やはり往年のきらめきが不足している。勝負強さも、ゆとりも、ファンタジスタとしての面影もない。

 今の高原にはそれがある。輝いているのに、いや輝いていればこそ、運動量を惜しまず放出し、地味なディフェンスまで目いっぱいこなしてしまう。フェイエノールト時代に較べて全くといっていいほど守備をやらなくなった最近の伸二とは、まるで別の存在だ。

 飛べない鷲・伸二は、攻撃に気持ちが入ってしまい、もうボランチではなくなったのだ。フェイエ時代のように守備を任されていないという使われ方が大きいとも思うのだが。

 世界が与えるもの、輝きのピーク、そういったものが二人の時代を、明暗を分けているように思える。高原は、ドイツ・ワールドカップのときの苦しみを脱したように思える。浦和ファン、いや伸二ファンとしてはそれが無性に悔しい。伸二をこのまま壊さないために何をすべきなのか、ホルガー・オジェックがわかってくれていればいいのだが、どうもそれも怪しい気がするのだ。