ばんえい競馬への応援歌
2006年12月16日の日記にぼくはこう書いている。
その原作『輓馬』を書いた鳴海章という帯広在住の作家は、地元に利をもたらしたことになるのだけれど、今夜は彼なりに祝杯を挙げることができたのではないだろうか。あの作品が映画化されるほどの良作でなかったら、今頃ばんえい競馬の存続はなかったかもしれない。多くの人の生活が断ち切られていたかもしれない。
文化が人の生活を守り、いくつもの人や馬の命を守ったことになるかもしれない。ある種の快哉に値することだと思う。
鳴海章はその後も闘っていた。今日、読み終えた『いのちに抱かれて 楓子と大地の物語』は、ばんえい廃止への流れと、署名反対運動によるばんえい文化存続へのか細い蜘蛛の糸といった、現在ばんえいが曝されている状況を背景にした、馬生産農家の娘の物語だった。
ダイチという愛馬の姿にともかく泣かされた。鳴海章は凄いや!