土に一本の線

　土に一本の線を引き、そいつを跨ぐ。ボールを線上に並べてショットする。今日は、今週二度目のゴルフ・レッスン。月曜日よりも少しだけ面積を広げている土の部分に線を引いたのは、コーチであり、私は線の後ろ側を叩く癖があるから、土にどんなクラブの痕が残るか、確認しなさいと言うのだ。

　確かに、最初は、ボールよりだいぶ手前を叩くこともあり、その後、徐々に慣らしていくと、ボールの位置に正しくクラブヘッドが落ちてくるようになる。人工芝の練習台ではわからないことだ。実戦が近づいた感覚で、少々緊張する。

　７日に苫小牧のゴルフ場を予約した。これが今年の初ゴルフ。わくわくしながら、練習場を後にすると、いきなり夜空から雪が舞い降りてきた。帰途はヘッドライトに雪が絡む。冬が春に、季節の明け渡しはそうやすやすとはさせないよ、とでも言うように。少し前に明るかった月は、どこかに隠れてもう見えなくなっていた。