シュンの日記なページ

当別町スウェーデンヒルズ移住者 ブックレビュー 悪性リンパ腫闘病中 当別オジサンバンドOJB&DUOユニットRIOのVocal&Guitarist ツアーコンダクター 写真 スキー 山 田舎暮らし 薪ストーブ

レコードを聴く

crimewave2007-02-16

 レコードを売る古本屋が麻生界隈で増えている。レコードや古いビデオを。麻生の行きつけの焼き鳥屋で呑んでいると、気の合う常連客がレコードや映画のビデオを仕入れてくる。ベルモンド主演の古いフィルム・ノワールを買ってにこにこしていることもある。

 今レコードを買って、それを聴くことのできる環境にある人が、世の中にどれくらいいるだろうか。自分自身苦労してレコード針を手に入れたから、レコードを聴くことの希少な愉しみには独特のものがある。昔働いてすぐの頃に最初にもらったボーナスから徐々に買い揃えていったオーディオが20年以上経った今でも、生きている。

 今日はひさびさにレコードを聴いた。マウンテンのアルバム「マウンテン・クライミング」(右上写真)から「ミシシッピー・クイーン」を。「ウッドストックII」から同じくマウンテンの「鮮血の太陽」「想像されたウエスタンのテーマ」を、ユーライア・ヒープの「対自核」から「対自核」「自由への道」「七月の朝」「ラヴ・マシーン」。

  

 中写真で回転しているレコードは「フィルモアの奇蹟」。アル・クーパー、マイク・ブルームフィールドという最強セッション・コンビに、エルビン・ビショップやサンタナまで加わった凄玉傑作だ。

 二十年以上前に掻き集めたレコードを今もって聴ける。レコードは、溝が磨り減って音が悪くなるのだけれど、今、こうして聴くと甦る音楽ばかり。その上、当時の稼ぎのほとんどを注ぎ込んで買い揃えたオーディオ装置は、幾多もの歳月を重ねても壊れることなく、淡々とプラスチック製の音楽を削りゆく。一回性の音楽がレコードにはあり、それが切なく、甘い。擦り切れた雑音の向うに立ち上るきんと漲った冬の朝の空気みたいに鋼鉄の透明感。聴きたい音楽そのものへの主観的な愛着とのシナジーで癒されるのだ、とことん。