シュンの日記なページ

当別町スウェーデンヒルズ移住者 ブックレビュー 悪性リンパ腫闘病中 当別オジサンバンドOJB&DUOユニットRIOのVocal&Guitarist ツアーコンダクター 写真 スキー 山 田舎暮らし 薪ストーブ

秋田は春だった

crimewave2007-02-13

 雪のない秋田空港に到着したときは既に暗かった。

 昨夜のうちに矢作俊彦『ツーダン満塁』を読み終えてしまったので、ジェット機の中では花村萬月『自由に至る旅』を読み始める。往復でちょうど読み終えそうな新書は、こういう一泊飛行機出張にちょうどいい。

 秋田は、山の上にある空港から市内までずっと雪がなかった。札幌は雪に降り込められ、朝から除雪に大わらわの職場だったから、この差が信じられない。青森に住む笛吹亭百合虎さんの「ぶろぐ旅日記」によると、札幌と非常にシンクロした気候変化を遂げているようなので、秋田も当然のこと、雪の中の街、桃色ほっぺの秋田小町たちが漫ろ歩いているのではと思ったのだが、とんでもない春の陽気に、コートさえ脱ぎたくなる気配だった。

 11月末日から12月初日に訪れて以来二ヶ月ぶりだが、あの夜さえ霙にかじかんだ手を摺り合わせ、雪の予感に震えたものなのに。

 比内やで、鳥づくしの料理に舌鼓を打ち、華の湯にてあまたの湯船に癒される夜も、あのときのまま。ここになら何日でも滞在したいと思わせるものがあるけれど、雪がないことでどことなくそわそわ落ち着かない。

 時には札幌を越えるという豪雪の秋田が、本当は見たかった。