シュンの日記なページ

当別町スウェーデンヒルズ移住者 ブックレビュー 悪性リンパ腫闘病中 当別オジサンバンドOJB&DUOユニットRIOのVocal&Guitarist ツアーコンダクター 写真 スキー 山 田舎暮らし 薪ストーブ

私鉄沿線のアルチュール・ランボオ

 私鉄沿線って言葉からイメージするのは、京王線沿線ではないのでしょうか? よくわからないけれど。ちなみにぼくが住んでいたのは東武野田線野口五郎からはあまりにかけ離れた印象の路線なので、どうしても京王線ってあたりにイメージを持っていってしまうこの劣等感……(^^;)。

 とにかくその京王線のつつじヶ丘っていうところに、みちのく出身の友人は家を建て、都立駒込病院で生まれた私は、札幌市の北のはずれで雪塗れの借家に住んでいる。その比較がどうだってことではないのだけれど、その友人の家を訪ねる。まだ結婚前からずっと友達だった夫婦で、一緒に穂高やら谷川やらの山を散々登った仲間でもあり、学窓でフランス詩人の詩集をあれこれうだうだ評論し合った仲でもある。

 本当の詩人になった別の友人は生活が苦しいながら四十代後半で二十代の嫁を娶り、赤ちゃんを作った。その折のお祝い返しに石巻の酒を送ってくれたらしい。だから友人であるぼくと夫妻とで、この夜はこれを一升飲み干した。奥様の方とは二十年近くぶりの再会である。

 二人の間の息子さんは、うちの息子より一歳上だが、トマス・ハリスを読んでおり、中でも『レッド・ドラゴン』が最高傑作と言うのだった。映画では、ゴダールの『気狂いピエロ』が面白いのだそうだ。さすがに東京の中学生であるし、わが友人の息子だ。われわれが学生時代、ランボオの詩を酒とともに叫びあったこと、その詩「永遠(エテルニテ)」が『気狂いピエロ』のラストシーンでモノローグとなることなどを、中学二年生に話す父親。何という親子だろうか。やれやれ。