和食に酒を
ホテルアーサー札幌はノボテル札幌に名前を変えたのだそうだが、土台、中島公園の池を遥かに見下ろす24階の和食処で会席料理のランチをつつくなんてことはやったことがなかったので、何もかも初めてづくしだった。いかんせん次の料理が出るまで結構な時間がかかるため、すべてを食べつくすのに二時間が経過する。こんなにゆっくりとものを食べたら、さすがの大食いのぼくの腹でも苦しみに悶えてしまう。しかも酒抜きというのがさらに苦しい。
雨模様の札幌を後にして、一行は一路十勝へ移動する。何と投宿が21時。北の屋台・御多幸にてようやく酒にありついた。しかし遅い時刻のせいか、期待していたメニュー(サンマ刺し、シマホッケ、鯖の味噌煮)は終わっている。しかしタチのあんかけ、シシャモ、赤ホヤ刺しと、つつきながら、田酒山廃や濁り酒のどん亀をぐいっとやるのが、何より。昼からずっと酒があればとずっと飢え続けてきただけに、美食に美酒の幸せが身に沁みてくるのである。
最後に独り、一行と別れ、同じ北の屋台にある楽屋にてあんかけ塩ラーメンを食べるが、こちらもとても美味しい。マスターがジャズ・プレイヤーなので、店はステージではない楽屋か。客の一人が、武道館でクラプトンを見てきたという話になり、つい話題に加わってしまう。こういうところが、屋台のよいところだ。