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20年目の麓郷

 東京から来た若い同僚は幼い頃、NHK大河ドラマと「北の国から」だけをTVで観ることが許されたという英才教育の申し子だ。見る限り教育の効果はどこにも出ていないのだが、麓郷のロケ地には心沸き立つものがあるらしい。

 ぼくは麓郷には新婚旅行で北海道中をたっぷり旅行した折に泊まったことがある。今ではユースホステルになったふらりんは、当事は大阪で橋梁工事をやっていた土方上がりの血の気の多いおっさんが、昼は富良野市で日雇い土方、夜は民宿をやっていた。子供の世話に追われる奥さんを、汚い言葉で怒鳴りつける宿主に対し、家内はとても悪いイメージを持ったみたいで、何だかシラけ切ったのを覚えている。今日と同じように雨降る富良野は、あのときは翌日雪で覆われた。ゴールデン・ウィーク前後の季節である。

 その頃から一層レベルアップした麓郷には、五郎の石の家や、五郎の拾ってきた家などが新たに点在するようになったが、あの当事は当然、劇中で焼け落ちた丸太小屋、その後に再建した風力発電の小屋くらいしかなかった。今、富良野にはその前の一代目の小屋が再現されようとしているし、9月30日にはさだまさしが実際にやってきてあの有名なテーマ曲を歌うコンサートまで行われるらしいのだ。

 『北の国から』はとっくに終わりを告げたのだが、そのドラマ一つで有名になったこの農村地帯は、今も多くの観光客に溢れる、新しい文化を日々増殖させ続けているのである。