ずっと海を見ながらの一日

　朝飯は炭でトーストしたフランスパンとコーンスープ。レタスとトマトを刻んで薄切りにしたパンに挟み込んで食べる形と二通り。コーヒーをドリップで淹れ、眩い太陽に目をそむけながら啜り込む。贅沢な朝である。海を眼下。岩内岳を背後に聳えさせ。息子と二人。
　島牧への往復100km超を往復する。行きはひた走り、帰りはカメラを随所で構えながら、時には波に足首まで打たれて。時には、湾内で作業する一人乗り船外機付ボートの様子を望遠レンズで眺めたりしながら。
　昼食は神恵内の勝栄鮨にて。噂にたがわぬ人気である。店の前のベンチで順番を待っていると、目の前の道路に四台のバイクが乗りつけた。ヘルメットを脱ぐと、女性ばかりだった。男のバイクよりもずっと男っぽいシンプルさが不思議だった。積丹半島。人気のツーリング・コースである。噂にたがわぬ特上のネタを詰め込んでから、道内有数の峠でもある当丸峠に向けて走り出す。知らぬ間に峠はシェルターだらけの無味乾燥なものに変わっていた。数年前にあった撮影ポジションがとうとう見つからないまま、古平に向けて、パジェロは下り出してしまった。