シュンの日記なページ

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赤ひげ

 日高の酒場<赤ひげ>で、18:30から真夜中を過ぎるまで幸せなときを延々過ごした。連れて行った人は皆もう一度来たいところと必ず言う店。今回のつれは、会社の同僚で、アルコールがあまり飲めない女性だが、彼女でさえ、店を出た途端に「もう一度来たい店ですねえ」と言ったくらいだ。

 彼女は5時間半のカウンターでの時間を、中ジョッキ二杯だけで過ごした。その隙間は、コーラか何かで満たしていたのだと思う。ぼくはといえば、自分の飲んだ量が途中でわからなくなった。
(自分)「えーと、すいません。まだ10杯は飲んでないよね」
(店の人)「いや、10杯は行ってます」
 生と黒とハーフ&ハーフとを交互に飲んでいる。その都度店の人は、きんきんに冷えたジョッキを冷蔵庫から取り出して、それを満たしてくれる。

 マスターから、娘が住むというカリフォルニアの巨大な樹木の写真を見せてもらいながら、子羊骨付きロース、豚スペアリブ、若鶏半身焼き、野菜サラダなどを突きつつ、飲むビールの美味さにどうも盛り上がってしまったようだ。何しろタンクからサーバーに供給されるしっかりとした生ビール。ここで飲んでおかないで、いつ飲む?

 マスターと話しているうちに、自分がこの店に来始めたのは、8年くらい前だと気づく。その頃置いてあった日本酒<多聞>は焼酎にとって代わられていた。マスターがテストだといって出してくれた蒸し鍋の採用が5年くらい前なのだろう。最近は一年に一度くらいは訪れているだろうか。

 赤ひげは、一度札幌にも店を展開してみたが、うまく行かなかったそうだ。やはり都会ではこの手の店は無理だと残念がっていた。そういえばここは、落ち着いた本格派の店だ。札幌の地価を考えると、集団の宴会に似合わないこの手の店は、金額的にも決して安くはできないだろうし、料理が高すぎる居酒屋は、あまり流行らないだろう。

 やがて、マスターがいつの間にか一人でメニューにもない国稀純米を呑んでいると知り、ぼくもそれを所望した。これで酔いがぐいと進んでしまったので、最後にジョッキをもう一杯開けて、お開きとした。

 店を出ると雨がやんでいた。もう一度、と言わず、何度でも来たいぞ、と心のなかで妙に強調している自分がいた。