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竹芝:馴染めない街

 北見から札幌に戻り、さらに昨夜のうちに新千歳から東京へ飛んだ。後楽園のホテルに投宿し、昔の仕事仲間たちと焼き鳥を肴に酒を酌み交わした後、締めに一人で本郷の馴染みの酒場<ちどり>へ移動。〆張鶴を呑んだ。冷酒はこの酒だけ。何でもぼくが置くように提案したのだそうだ。全然記憶にない。一年に一度くらいしか来ることがない北の国からの客なのに、そんなわがままを言ったか、と我ながら呆れる。もっともこの店には四半世紀も前から通っている。時間の長さだけなら、そこらの客に勝てるかもしれない。

 今日は、午後、新橋での会議と夜の宴会を終えて、竹芝のホテルに投宿。仲間と二人でラーメン屋を探したが、夜の雨は東京の気温を尋常ならざる低さにとどめている。天気予報では長期にわたって梅雨前線が停滞し、雨雲がひっきりなしに東京の緯度に沿って移動しているようだ。すぐに夏日の北海道に戻れることが嬉しい。

 さんざん彷徨した末に中国料理屋を発見し、店の人の薦めるままに、広東面や餃子をビールで流し込む。東京らしい空間であるはずなのに、人が住んでいる気配のない、幾何学型の建築物に囲まれ、雨と暗闇の静けさの中、仲間と二人だけの湿った足音を響かせて辿り着いた穴倉みたいな店で、他に客もなく、ラーメンのスープを啜っていると、これ以上ないほどの侘しさに包まれる。ぼくの好きな東京はやはり本郷、神田の庶民的猥雑さにとどめを刺す。馴染めない街の夜は、空気すら薄く感じられるくらいなのだ。