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プライド、再び

 横浜Fマリノス 1-3 浦和レッズ

 ラストの長谷部のゴール・シーンでは、雄叫びを挙げて飛び上がってしまった。札幌の自宅のテレビの前で。終了のホイッスルがその瞬間に鳴り、継続していた歓喜は、勝利の喜びへとそのまま溶け込んでゆく。

 やっとレッズがレッズのプライドを取り戻してくれた。そんな入り方で迎えたゲームだった。ここまでの試合は、どうも選手たちの動きがぬるかった。ぬるくてもそれなりに、巧い選手を揃えているから、適当に勝ってしまって、失点もまあ少しくらいいいや、みたいないい加減さばかりが目立っていた。

 でもレッズはJリーグ初年度から、強敵には凄いパフォーマンスを見せるチームとして有名である。ラス争いをしているようなチームには平気で大敗を喫するくせに、優勝候補のようなチームには、熾烈なファイトぶりを見せる。ジュビロや鹿島を相手にはいつもいい試合をしながら、一点差で惜敗していた印象がある。

 そうした強豪の中でも、マリノスだけは何故か別だ。負けるときはいやな負け方ばかりしていたという記憶がある。三ツ沢の田植え芝みたいな最悪のピッチでロスタイム近くに決められた悪夢のような敗戦。終盤の10分で3点をひっくり返された国立のゲーム。埼スタのお披露目試合での無様な敗戦。そして何よりもステージ優勝を決めるチャンピオン・シップのPK負け。

 福永の逆転ゴール、永井のデビューゴールなど、マリノス戦には、ファンタスティックな記憶もないわけじゃないのだが、喜びの機会はそう多くはなかったように思う。その意味では、この試合、ちょうど首位を抜いてトップに持ち上がる序盤の天王山、ここでの勝利はある意味、思い出に残るいい試合になるかもしれない。リーグ優勝を初めて果たしたあの2006年、レッズは序盤のマリノス戦でがちがちの守備合戦を制した……あれがきっかけだった、とでもいうように。

 そう、がちがちの守備で潰し合う前半があり、後半には、攻め切れないマリノスと、一対一で次第にボールを奪い取れるようになった。三都州がクロスを忘れてしまい、確率論で言えば悪い方向のシュートばかり選んでいなければ、もっと早く楽になった試合かと思われた。体力でレッズは勝っていた。ここ一番では、とても懸命に走るレッズの選手たちが頼もしかった。まさに今シーズンのベスト・ファイト。

 今日の試合後、ギドは、前節での鈴木啓太に続き、闘莉王の名前を出して讃えた。本当は全員を褒め称えたかったに違いない。それとも勝利のたびに一人一人、名前を挙げてゆきたいのかもしれない。これらは、ギドなりのMVP発表なのかもしれない。

 そして何よりも長谷部のパフォーマンスのよさ。病み上がりの伸二とは対照的に、文句なしのシュートを見せつけ、ジーコに最後で最強のアピールをやってのけた。その勝負強さこそが、今の長谷部であり、レッズの象徴であると言っていい。マスコミよ、今の旬は、小野ではないぞ。伸二に代わって長谷部がレギュラー取りなんていうW杯の奇跡だって、十分にあり得るのだ。