シュンの日記なページ

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影武者

 コンサドーレ札幌から、負傷療養中の山瀬を浦和レッズが大枚はたいて獲得した年、山瀬は春になってシーズンになっても、怪我が癒えず使えなかった。天才、エリートと言われた山瀬の代理として、出場したのが、若手の中から台頭した長谷部だった。山瀬の代わりとはいえ、サポーターにしっかりとした印象を残した。

 山瀬が負傷を治し、レギュラー出場を始めると、トップ下の定位置から初めてのボランチに下げられながらも、長谷部は使われ続けるようになった。その後もガラスの天才、山瀬は負傷し、試合から遠ざかるが、長谷部は都度都度、ボランチからトップ下へと与えられたポジションで彼なりのコンスタントなプレイを反復した。

 山瀬が負傷している間に、浦和レッズは初めてのステージ優勝を成し遂げ、山瀬は負傷したまま今度は横浜に居を移していった。その後も、長谷部はボランチをまるで天職のようにこなし、そして、試合途中で急にトップ選手を休ませるために、長谷部は消化時間のトップ下を短い時間こなすことがあった。

 まさに今日の天皇杯準決勝のセカンドハーフのように。ポンテを温存し、酒井を投入、守備を固めようとする意図のもと、長谷部は前にポジションを代える。そうして終了間際の反撃が思わずゲームプランを崩し、試合は延長に突入。

 そこからが長谷部の真骨頂だった。ボランチで覚えさせられた一対一の格闘技センス。元から備わっているパスセンス。そして自信をこめたキープ力とドリブル突破、抜群のポジショニングが、今日2発のゴールを呼び込んだ。

 代表候補組に初めて呼ばれ、そして最初の試合で、2ゴール1アシスト。プレッシャーのかかる難しい試合だったが、長谷部はみごとに魅せた。

 かくして浦和レッズは、チーム史上初めて、元日決戦に勝ち進むことになった。感無量である!