シュンの日記なページ

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神様はいなくなってた

 富良野に泊まるのは3年ぶりくらいだろうか。駅前再開発ですっかり景観が変わってしまっているが、夜の零下13度、凍りついて堅くなった雪のでこぼこの路面っていうのは、変わらず富良野だ。
 「ちっこ食堂」の看板を見て、昨冬のドラマ『優しい時間』に使われた通りであることを思い出す。
 「くまげら」で、オリジナル日本酒12品目のどれかを呑みながら、鹿肉入りの山賊鍋一人前を突つくカウンターの夜というのも久しぶりだ。以前呑んで気に入っていた「かんなびの里」を頼むが、酒の名前が「富良野物語」に変わっていた。かんなびというのは酒の神様なのだそうだが、今では神様から物語へと世界は移り変わっているのである。
 マスターとしばらく話をして、駅前再開発で消えた店の消息などを聞き、懐かしくなった。新しく構えられた店を訪れ五年ぶりくらいの再会を祝って、芋焼酎をがんがん呑んだ。芋焼酎なんて、五年前には富良野でお目にかかるはずもないメニューだったろう。
 いろいろなものが変わっても人々の気さくさだけは変わっていない富良野の夜が、酔いと寒さのなかで更けてゆく。