シュンの日記なページ

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人違い

 福祉関係の展示会場で、わが社の展示ブースに来場したお客さんの一人を、懐かしいAという人だと思って、あまりに久しぶりだから、ご無沙汰していますとぼくは挨拶し、そのまま、わが社で扱っている認知症予防用のソフトウェアを紹介し、その場で使って試してもらい、いろいろな会話を15分ほどしてから、その人と別れた。
 その後、独りでランチを食べながら、その人がAという人ではなかったことに、ぼくは唐突に気づく。
 そう、その人はAさんではなく、もっとずっと古い知り合いのBさんという人で、ぼくの前職時代のお客さんであった。ぼくがその頃在籍していたのは医療器械メーカーだったが、今は介護関連卸なのである。Bさんは、今日、ぼくが違う業界の違う会社にいるのにも関わらず、まるでぼくの最近の知り合いAという人に成り代わって、その役を立派に務めて去ってしまったことになる。
 Bさん自体も、ぼくの新しい部署になんら疑問を示さなかったため、ぼくは彼がAさんではないことに気づかなかったし、ぼくも現在の名刺を渡したわけでもないから、Bさんがぼぼくをどう受け止めたのかは、ぼくには全然わからない。
 Bさんは、ぼくのトンチンカンを気づいた上で見逃したのだろうか? それともBさんにとっても、ぼくがどこの会社の人間であったのか、今は忘れており、今日のところは適当に相槌を打ち、そして後になって、おやっ? あの人はCさんではなく、シュンさんでは? などと思い出したりしているのだろうか。今のぼくのように。
 それともBさんも昔の業界の昔の会社を辞めて、今は介護業界でぼくのお客さんになっており、そのせいで、会話は奇しくもスムースに進んでしまったのだろうか? Bさんの今の名刺や会社名が今日の会話で明らかにしたわけではないから、その可能性が全然ないわけでもない。
 医療業界と介護業界を兼ねる会社や施設も沢山あるわけだから、そのあたりはどう推測しても曖昧模糊としたままである。
 ランチの後、ぼくはBさんを追いかけて今の名刺を渡したくなった。その後会場をうろうろして探したが、Bさんの姿はもうどこにもなかった。
 なんだか切りの悪い話だ。どうもひっかかる。
 なぜ、会話はあのようにスムースに進んだのだろう。Bさんはぼくのあの親しげな態度をどう捉えていたのだろう? Bさんとぼくが会ったのは3年ぶりくらいのはずだ。どうもおかしい。
 認知症を予防するソフトについて話したはずなのに、似ても似つかぬ顔立ちのAさんとBさんとをぼくは取り違えてしまった。こうなると、自分が認知症になっているような気がしないでもない。そんなところが、どうも引っかかったままだ。明日から認知症予防ソフトをもっと頻繁に使わなくてはと思う。自分でも社内販売で購入しなくてはと思う。切実に。うーむ。