シュンの日記なページ

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午後のウエストコースト・サウンド

 70年代前半はウエストコースト・ミュージックが全盛期で、最も音楽を聴く高校時代を、ぼくはこれらの音楽とともに過ごした。

 アマゾンに注文をかけていたCDのうち数枚が昼前に届いた。意識したわけではないけれど、気づいてみれば、それらはウエストコースト・サウンドばかりだった。

 ジェファーソン・エアプレインの久しく絶版になっていた第6アルバム"Volunteers"は、昔のLPジャケットをそのまま縮小してCDサイズにしたものなので、このジャケットに愛着のある自分にはとても嬉しい。見開きに、右がジャム・トースト、左がピーナツバター・トースト。当時、これはヴェトナムの地と泥だと言われたりしたものだ。

 次にクロスビー&ナッシュの二枚組CD"Sunctuary"。もう何年も前からお年寄りになっている二人の声はさすがに罅割れ、枯れ切って聴こえるが、その声の深みにかえって不器用なまま持続させてきた二人の普遍な音楽と、誠実さとを感じることができる。何度も何度も繰り返し聴きたい、心に沁みるアルバムだ。ちなみに、ずっとこの二人と組んでいたマイケル・ヘッジスが亡くなったことは、このアルバムに収められた"Michael"という曲を耳にするまで知らなかった。

 3枚目は、これまたさぞかし皆、爺さんになったろうと思われるPOCOのライブアルバム"Keeping the Legend"。カントリー・ミュージックを基調にしながら、バンドというよりもスタジオミュージシャンのプロジェクトみたいな形で、イーグルスとメンバーをとっかえ引返してきたような、POCOは、それ自体、ウエストコーストの音楽シーンの歴史博物館みたいな存在だろう。テキサス州ナッシュビルの暖かい観客層と非常にハートウォーミングに音楽で交わっているライブの楽しげな様子が手に取るようにわかる一枚だ。と、これはDVDとのセットなのだが、ぼくはとりあえず音だけを懐かしんでみてみた。DVDはまたの機会に。

 爺さんと婆さんになったかつてのバンドメンバーたちの声や演奏に耳を傾ける敬老の日なんていうのも、なかなかなものである。

 ところで昔は友人同士でのレコードの貸し借りの際に非常にお勧めの説明やら熱意溢れる解説を聴く事ができたものだ。思い入れたっぷりのレコードを持ってくるから、そのレコードには既に情報や真剣味がたっぷり詰まっていた。今のi-pod全盛の情報時代と比べても、見知った友人の一人一人からその個性と責任において薦められ押し付けのように持たされたかつての音楽は、それなりに思い出という意味でも、音楽へのこだわりという意味でも、いい文化であったような気がします。