シュンの日記なページ

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ロング・アンド・ワインディング・ロード

馬の集まる湖沼にて

 昼近くなって、釧路を後にする。いったん札幌に向かいかけた車首を、いきなり反対側に向ける。そう、今日は帰るだけ。ならば道東のもっともハードな道の駅スタンプラリーに挑むのだ。
 というわけで第一弾は厚岸に。混雑する店を尻目に、スタンプだけ押して、霧多布湿原に向かう。ビワセ展望台の駐車公園でラーメンを食べ、無人島の剣暮帰島を正面に見る海岸線に下る。民宿わたなべが、まだ無事営業しているのを見て、少し感動する。二十年前の新婚旅行でここに泊まった。酒を振舞ってくれた猟師の親父は、十五年後に訪れたときにはもう漁に出るのをやめていた。宿を守るお母さんは元気だったが、いつまで民宿を続けるのか確信が持てない。そのわたなべの前をぐっと堪えて先を急いだ。今度息子を連れて泊まりにくるからな、と決意を秘めて。
 次いで根室風連湖ほとりの道の駅へ。ここも同じ新婚旅行で泊まった民宿風連の近所だ。昼のおにぎりを作ってもらって、風連湖からオンネトー沿いに落ち石の無人駅まで夫婦で歩いた。懐かしすぎる二十年前だ。そういえば民宿風連は加賀乙彦の「湿原」のモデルになった宿でもあり、ぼくはあの日民宿の宿主とこの話を確認したのだった。
 次にひたすら走り羅臼の道の駅でスタンプをもらう。かつて羅臼平でテントを張った夜、オホーツク海を大きな火球がよぎって驚いたものだった。あの夏、御巣鷹山日航機が墜落して一週間も経っていなかったのを覚えている。
 ウトロに下ると、国道に面した家で葬儀が執り行われているらしく、厚い海の夕暮れ、黒服の人々が、明るい観光客の姿に混じって歩いているのが不思議だった。
 小清水原生花園の道の駅に着いたのが18時前。スタンプは17時までで終わっていて、これ以上、今日のスタンプラリーは意味がなさそうだった。
 すぐに山に入り、美幌経由で遠軽へ。牧草地と山の中をひた走り、丸瀬布から北見峠へ。まだ無料開放中の高速を部分的に利用して上川へ向かい、後は道央道を使って札幌へ。帰着22:00。ちょうど10時間強のドライブだ。体がぎしぎしなるようで、車を降りると、船酔いみたいになっていて、三半規管が異常をしきりに訴えた。足元がぐらりと揺れる感じが寝るまで続いた。