近くて遠いすすきの

　以前は職場から歩いて行く距離にあったすすきのが、今は近いようでいて、けっこう遠い。職場が車以外では通勤不可能な場所にあるために、一度車を自宅に置いてから、タクシーや地下鉄を乗り継いで出てゆかねばならないから。
　取引先の営業と〆張鶴で刺し身を突きながら、一次会を終え、昔よく通った雑居ビルにて二次会。行きつけだった店は３０年近くの歴史をこの数年で終えており、北海道の不景気についにあの気丈夫なママが持ちこたえられなかったかと思うと、さすがに淋しい。
　代わりに入った店は二年前創業の、ぴかぴかに綺麗な落ち着いた店だ。カラオケがなくって、あっても薦められないから、ふざけた会話だけでウイスキーのロックをちびちびやる。
　平日の一時半まで呑み、蕎麦屋で締めてから、タクシーで帰宅。体は消耗したけれど、盛り場の好きなぼくとしては、充電したっていう感じである。こういう夜も、必要だよね。