同じ本を買いたくない

　AMAZONから打海文三の本が二冊届いた。両方とも新刊だ、ウキウキ……としていたのもつかの間。ソフトカバーの『ぼくが愛したゴウスト』はいい。しかし中公文庫の『苦い娘』は、何と『ピリオド』改題ではないか。『ピリオド』ならとっくに読んでいるぞ。加筆・修正はしたものだと書いてあるけれど、やっぱり詐欺にあったような気持ちになるからいけない。看板に偽りありとして消費者訴訟かなにかで、こうした被害を防ぐ「勝手に改題なし」の法規制でもできないものか。
　自分が文庫解説を書いた香納諒一の『風熱都市』は文庫化に当たって『風よ遥かに叫べ』と改題されていたのだった。そのときは解説を書くために、読み直したけれども、読み直した本が元版の『風熱都市』だったと言う変な話だ。ちなみにハードカーバーも文庫も絶版です。話はそれてしまったが、香納諒一は非常に好きな作家なので大きく羽ばたいて欲しいのだが、若いのに作りがスタンダード＆クラシックなので、年寄りのファンしか集まらないのかな、とも思ってしまう。哀しいことである。