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『座頭市』

 北野版『座頭市』を見た。『座頭市』と『兵隊やくざ』だけは勝新以外はやらんだろうと思っていたところを、強引に持ってゆくところがたけしらしいと言えばらしい。
 仕込杖の殺陣は座頭市シリーズの心臓とも言えるほど重要な部分だが、これをCGの流血を入れてサム・ペキンパー的暴力誇張描写に変えて見せたところ、特に竹を縦に切っていって指まで飛ばしてしまうあたりの細工はCG技術なくしてはできないだろう。それでも北野フィルムにCGというのは受け取る側にしてみれば複雑な思い。どこかでたけしにはアナログであって欲しいという重いが、こちら側にはあるのかもしれない。
 でも北野映画では毎度いい味を出しているガダルカナル・タカのお笑いの部分や、リズムを刻んだり踊ったりする農民と羽目を外し、最後には羽目外しもここまで圧巻なら許せてしまう祭りの部分での集団タップダンス。大楠道代まで派手な衣装に着替えてタップを踏んでいるあたり、泣ける。
 二晩続けて二度見てしまうほど面白かった。むしろ二度目のほうが味わえる。北野フィルムはシーン密度が濃いのである。