シュンの日記なページ

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好きな作家

 好きな作家は誰? と聞かれると、実は非常に困る。ぼくは村上春樹矢作俊彦の文章がとても好きだから、書棚のとっておきの場所を彼らのために開放するし、できるだけ初版ハードカバーでそれらを整えている。背表紙を眺めるだけでけっこう満足する。タイトルにこめられたセンス、才能、趣味などなどに、いちいちうんうんと頷いて讃美するのだ。
 でも好きな作家は? と聞かれたときに、素直に出てこないのが彼らのような作家だ。作風や小説として目指している方向性は好きであっても、彼らが時折り小説のなかで主張する、あるいは主人公の口を借りて主張しているものごとには多くの点で違和感を覚えるし、ぼくはたいてい反対の考えをもっていることが多い。
 それに増して彼らの写真スナップを見ると、やはりこんな風にイメージと違った嫌な連中なのだなと嫌悪感まで感じてきたものだ。無反省で鼻の高い作家という自信たっぷりの動物。
 気取っていて庶民の労苦など知らないとばかりに手前勝手な理屈をここぞとばかりにマシンガントークする奴ら。本当に嫌な特権階級だと思う。でも彼らの本はぼくは大切に一字一句を味わう。
 好きな作家は誰だ? などと聞かれても困る。好きな作品を書く作家は誰だと厳密にたずねて欲しい。そうでないと、いつもわが身が引き裂かれそうになる。