いろいろな形で夏の終わりを感じるものだが、北海道のそれは案外にはっきりしている。
例えば大雪山の紅葉を撮った航空写真が朝刊の第一面を飾った日。街路樹のナナカマドの葉が色づき始めた日。そして最高気温が20度を下回った日。
そして今夜のようにストーブに初めて火を入れた日。火屋の耐熱ガラスが一年ぶりに炙られて、嫌な匂いを立てたので、二階の窓を開けた。冷え切った夜気が流れ込み始める。
例年に比べると火を入れるのは遅いほうかもしれない。これでけっこう長い夏だったのだ、今年は。そう思うと札幌の住民はなぜか得をしたような気になる。