シュンの日記なページ

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防風林

 永井するみの書いた『防風林』はすぐ近所の防風林のことだ。ぼくの住む一角を南と北の防風林が挟むように並行して走っている。北の防風林を朝パジェロで走りすぎるとき、台風の影響による暴風は思いのほか激しく、枝葉が折れて飛び散って、コンクリートの上ではなく、まるでゴルフ場のラフの上を突き進んでいるような錯覚に陥るほどだった。川の土手道を走るときには横風を受けた。
 南の防風林では犬を散歩させていた人が倒木に打たれて死んだのだそうだ。
 日中、取引先の営業から電話が入る。南区の橋のあたりでトラックが横倒しになり、その下に乗用車がつぶされているのだそうだ。大渋滞で一歩も動かず、たどり着くのがいつになるやらわからないと……。
 旭川の同僚が、近隣の屋根が飛んできてオフィスのドアが壊れかけたとの電話をよこしてきた。壁には穴があいているとも。それに彼のマイカーも傷つけられたのだそうだ。屋根の持ち主も被害者だから保険は請求できないよと保険会社から冷たく言われたのだそうだ。
 帰宅すると、家内が防風林を抜けるのをやめて他の道路をゆくことにしたのだという。ヘルパーの家内はこういうときにこそ忙しくなるのだそうだ。とにかく防風林の横を走らないでよかった、と互いの無事を喜び合う。
 夕刊には被害が沢山書き込まれている。北大の名物ポプラ並木が50本中30本倒れたのだそうだ。ポプラ並木は倒れそうで危険なので切ると誰かが言っていていたはずだ。しかし北大のポプラ並木の美観を残そうという反対の運動が起こったのはそう遠くない日のことで、地元北海道新聞には大きく取り扱われていたニュースだったはずだ。なのに、あまりにもあっさりと一つの台風が根こそぎポプラ並木を破壊して、去っていってしまったのだ。