たくましさ

　レッズは横綱相撲を取るようになった。二点取られても三点取り返すサッカーというギドのシーズン直前の予言は、未だに生きていて、圧倒的にレッズがゲームを支配しているのに、なぜかいつも二点を取られてしまう。それでも勝つからいいようなものの、相手に比べて決定率がいかに低いかを物語っているようで、複雑な気分でもある。
　それでもジュビロにもマリノスにも終わってみれば力でねじ伏せて勝ったということができる試合であり、エメの個人技ばかりではなく、エメにボールを渡すまでの楽しいボールの動き、それよりもっと楽しい人の動きがあって、これが有機的なダイナミズムを作り出し、ハーモニーを奏でているような美しい展開と化している。
　試合観戦中に、ため息が出るほどのパス交換とフリーランニングが見られ、美しいなあと本当に感じてしまうことがたびたびある。昨年までオフトに封じられてたまっていたエネルギーが反動で一気に強いばねによって弾けたような今年のレッズだ。
　山田が怪我をしたそうで、それも足首の捻挫だというから、今後のリーグが心配だ。彼の不在は今は痛すぎると思う。