デスペラード
『デスペラード レジェンド・オブ・メキシコ』のDVDをようやく楽しめた。ジョニー・デップは存在感のある俳優で、アントニオ・バンデラスとの対比が期待したとおりだった。前作から時を越えたストーリーだが、前作の疾走感がない代わりに、込み入った脇役たちのどろどろの個性が極彩色の死者の日のクライマックスに向けて、毒々しく楽しい。正直、ラストの対決に関して、地味に抑えてしまったところが気に入らないのだが、デップと少年のエンディングが意外に利いておりこれを救っている。
原題が"Once Upon A Time In Mexico"であるところに意欲作であるよとの意気込みが伺える。何せ、チャールズ・ブロンソンとヘンリー・フォンダが対決した『ウエスタン』はマカロニの巨匠セルジオ・レオーネがアメリカで撮影した原題"Once Upon A Time In West"であり、レオーネはずっと後になってデ・ニーロ主演の"Once Upon A Time In America"を取って世界中でヒットさせている。
レオーネへのオマージュか洒落か知らないが、現代版西部劇というつもりで作成された映画であることは、全編に流れる雰囲気を見ていただければご理解できると思う。すべてを<対決の構図>ということに置き換えれば、人物配置の多さやストーリーの複雑さが解消すると思う。