贅沢な風景
取引先に昼食をご馳走になりに、街に出かけてゆく。KPホテルの最上階にある和食の店で、個室には既に取引先のお二方が待っていた。四人で昼食を取るのだが、和室のガラス越しに見える風景は、札幌北面の風景。22階の高さからは北大の緑、歴史ある建物たち、そして石狩湾へと広がる大地の広がりである。
海の幸を生かした夏らしい涼気に満ちたランチがとても美味しく、個人ではなかなか入れない値段であるのだろうと、想像しつつ、そこを出てはまた地べたに戻る。あの空中のガラス越しに見た札幌も現実ならば、ヨドバシカメラを横目に、渋滞の列を走り抜けるためにハンドルを握る低めの視線も事実である。
なんとなく疲れがどっと出たため、明日は有給休暇を取ることにした。周りの誰もがしていることなのだが、実はぼくにとってはとても珍しいことだ。