シュンの日記なページ

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小樽の寿司

 東京の客人が飛行機まで間があったので、小樽に寿司を食べに連れ出した。小樽駅近くの旧市場付近の路地裏にある小さな寿司屋である。三年ほどのご無沙汰をしていたのだが、内装が思い切り変わり、店は模様替えをしていた。北海握り2500円也というリーズナブルな価格も、道産握り4200円也(あら汁付き)に様変わり&値上げしていた。高級感のある寿司屋に変わっているのだ。
 こんな路地裏でありながらぼくと家内がまだ新婚の時代に初めてこわごわと偶然に入ったのがこの店。それから20年近くが経過して、当時寿司を握っていた親父は数年前から顔を見ないようになり、今ではそっくりな顔をした息子さんが継いでいるみたいだ。
 TVで小樽の魚市場の職員が選んだ小樽の寿司屋ベスト2に選ばれながらTV出演拒否した頑固オヤジの店でもある。富良野にある喫茶「糾の森」のよしえさんもこの店をなぜだか知っていた。
 道産握りに厚岸産の焼きがきを追加して、数年ぶりの様変わりした店の中で、少し落ち着かない感じで変わらぬネタのよさを味わった。自分の財布ではもう入れないな、と領収証を頼みながら、上司から借りてきた一万円を財布から取り出しつつ、少々さびしい思いに駆られていた。
 小樽はあの頃のひなびの印象から観光都市へと復活し、その中でいろいろなものが新しく変わり、今では金のない旅行者が一泊千五百円の海員会館に泊まって何とか寿司屋に立ち寄るなんていうあの頃のぼくら夫婦みたいな真似はできなくなってしまったのである。あの頃の小樽、あの頃の寿司屋の静けさが妙に懐かしい。