シュンの日記なページ

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分厚い本ばかり

 分厚い本ばかりが待ち受けている。時間もないのに。三連休では船戸与一『夢は荒れ地に』を後れ馳せながら読んだ。船戸の作品中でも相当に分厚い部類に入るひさびさの巨編、と言えるしろものだった。手応えのある本。その後、藤田宜永の傑作に出くわす。『キッドナップ』。藤田さんは、娯楽小説と恋愛小説の狭間に書くようなこういう中間小説に掘り出し物が多い。ベストに選ぶんだったなと後悔。現在読んでいるのが重松清の『疾走』。これは凄絶である。こんな作家がいたのかと驚く。書店で見て、つい惹かれるなにかを感じたので図書館で借り出してきた。八月に出た本なのに何人もの人の手を渡ったかのように薄汚れている。同じ頃に出た『キッドナップ』は奇麗なのに。
 図書館から借りて待ち受けているのが他に矢作俊彦ひさびさの小説『ららら科学の子』。最近ふざけたタイトルが多いなあ。もう『死ぬには手頃な日』だとか『神様のピンチヒッター』だとか気の利いたタイトルはつけてくれないんだろうな。
 ひさびさアマゾンで購入したのが花村萬月の、見ただけで腹一杯になりそうな分厚さ世界一と言いたくなる『百万遍 -青の時代-』上下巻。この人の場合厚い本の方がいいというところがあるので、まあいいのだけれど。それからグリシャムの新作にしてミステリではないらしき本『ペインテッド・ハウス』。船戸与一はもう一作『三都物語』。どうせ重い物語なのに決まっている。
 外は雪がちらついているがまだ今年は積もる気配がない。札幌の冬と言えば、白い雪が音を吸収してくれるので、夜はとても静かになる。そんな夜にでんと構えたこれら分厚い本たちを次々と読みこなしてゆく幸せをじっくりと噛み締めたいのだが。時間を捻出するだけでせいいっぱいというところだ。