シュンの日記なページ

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夜明け前

 ナビスコ杯決勝を迎えた国立競技場前に向かう。
 夜明け前、宿酔いを体の中に錘のように抱え込んでタクシーで乗りつけた明治公園の中には無数の人の影が動き回っていた。何千人になるかという人々が、未明の公園に集合しているのだ。ハンドマイクでサポーター有志がこれから始まる整列点呼の準備に忙しい。既にフェンス、ロープ、看板などで並ぶスペースレイアウトができており、ぼくらも自分らの番号と思われる辺りに集結。宿酔いと寝不足を抱え込んで、そのまま横になって寝たり起きたり。そうしているうちに夜が明け、始発でやってくる仲間を続々と迎え入れる。
 トイレは30分待ちだと言うので、大江戸線の地下駅構内や、日本青年館の館内などに出かける。人が多いということは、本当に大変なことなのだ。
 入場まではずっとサポーターの有志が仕切る。サポーターと言っても一つの団体ではなく、いくつものサポーターズクラブ。某有名餃子店の女性店主もぼくらの点呼役を勤めており、大変な苦労をされている。前日の抽選と併せて、これまで経験から培ったレッズサポの異様なまでに脹れ上がった人口をきちんと競技場に迎えいれる多くのプラン。彼らの見えないところでの多くの助力のおかげで一糸乱れぬ入場が出来た。実際に人が流れ始めると、そこで警備会社であるシミスポに作業が受け渡される。
 レッズはサポの人数を誇るだけではなく、誇るべきもっと見えないいろいろな人の情熱を抱えているということを再認識せざるを得なかった。
 鹿島の大旗が斜めにずるずると上がってゆくのを見て、レッズサポのUBから「下手くそ」コールが上がった。タイミング的には選手が入場するはるか前。こちらの大旗は事前に若者たちが敬語でもって我々に説明し、きちんと折り畳まれていたものだ。すっと広がりやすいように、重力を利用して下に落ちてゆくものと、手の力で上にあげてゆくもの。それも選手を鼓舞するために、入場シーンで広げてゆき、その旗を揺らめかせる。日本一のサポーターを名乗るのは並み大抵なことではない。レッズサポには「下手くそ」コールする権利は十分にあったと思う。