シュンの日記なページ

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居酒屋カンロ

 札幌駅北口で数名の若い連中と待ち合わせをして、ひさびさのカンロへ呑みに出た。カンロは混雑しているが、ずいぶんとむさ苦しい雰囲気になったものだ。ぼくが札幌に来たての頃、近隣のホテルで紹介され、雪道を滑りそうになりながらこの店に辿り着き、生まれて初めてカレーを煮つけでも唐揚でもなく、炭で焼いて食べた。宗八とマガレイの区別もまだつかなかったが、焼き魚がこんなに美味いんだなというのが、札幌にやってきた頃の印象だった。
 その後、この店のおかみさんの明るい雰囲気と、女性アルバイトたちの声に釣られて、独りでよくやってきたり、家族を連れてきて鍋を突いたり、東京からの訪問客をここに案内したりして、たいていは明るく楽しく呑んでいた。あるときからおかみさんの姿が見えなくなり、女性アルバイトが姿を消し、この店はむさ苦しくなっていった。家族の中でも母が病気で倒れたりすると「灯が消えたよう」という言い方をするけれども、まさにそんな印象があって、ぼくの足も遠のいていった。
 今回は札幌でないと都合が悪いということがあって、数年ぶりに暖簾をくぐった。しかも雨の中レインパーカー姿で自転車を漕いで最寄りの地下鉄駅まで走り、それから札幌駅北口へ。メニューはあの頃のままのものを使っているのだが、肝心の鍋も、美味しかったラム肉の炭火焼(おろし醤油と芥子をかけて絶品だった)がなくなってしまっている。それでも混んでいるからいいのか。ぼくらも内容が楽しかったので、まあいいのだけれども。でも独りで行ける店ではなくなったような……、ちょっと寂しいような……。