台風

　息子に中頓別の砂金堀りの話をしたら、もう夢中なのである。明日より三連休ということもあって、では父と子の二人旅に出かけようということになった。中頓別には鍾乳洞もあることだし、探検ごころを満たしてくれる場所である。ぼくの好きな温泉も地平線もカモメの飛ぶ空だって、いっぱいある。
　そんな予定をせっかく立てたのに台風が珍しくも道北に向かっているのだそうだ。台風は来たとしても太平洋側を釧路に向かって進むと相場が決まっているのに、今年は日高を直撃して九州より深い爪痕を北の大地に遺して行ったし、今度は稚内のそばを通り抜けてゆくのだという。砂金堀りをやろうと思っているウソタンナイ川が氾濫したり、鍾乳洞が崩れたりしては困る、と真剣に今夜のところは考えている次第である。