安否
帰宅するといきなり妻が「お父さん大丈夫かしら」と心配そうに言う。言っている意味がよくわからない。聴いてみると東北で震度6の大地震で、宮城の父への電話が通じないのだと言う。
地震? ぼくは全然、知らなかった。六時頃、札幌でも震度3程度の揺れがあり、これは札幌にしては大揺れだったのだそうだ。確かに札幌で震度3というのはあまりない。
地震のとき、ぼくは車を運転していたか、外を歩き回っていたかで、全く体感がなかった。なので宮城の父のことをいきなり言われたときに面食らったわけ。神戸の時も情報が遅れ、実際の被害の実相が掴めたのは被災後何時間も経ってからのことだった。今回は仙台市内などでのカメラの映像がTVで紹介されているほどだから、阪神淡路のときのように街でなにが起こっているのかわからないというような情報遮断の状況というわけでもなさそうだ。
宮城の父は廃鉱後の山村で寂しく暮らしているし、家は相当に古いのだ。確認が遅れているのではないのか、誰にも気づかれずに被災しているのではないかなどと不安も全くないことはないのだが、今回の震度6というのが映像的に配信されたものではどうも大袈裟な数字のような気もするし、今のところ何ともいえない。
思いがけず遠隔地の安否について気を揉む夜になってしまっている。