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音楽評論家/天辰保文

 音楽評論家・天辰保文さんの感性と文章とがぼくは大好きで、クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングのレコードなどを買うたびに彼のライナーノーツを読むのが楽しみだった。彼の文章に涙が出そうになったことは数限りない。ある時代、ある音楽をこの人と共有しているという感覚から生まれる感性の震えのようなもの。自分の人生におけるいろいろなものが揺れ始めそうな文章。思い入れたっぷりのこの人のライナーノーツは、匿名で書かれたとしても、すぐにぼくには天辰さんのものだとわかるだろう。
 本日付け北海道新聞夕刊の文化欄に、珍しく天辰さんの写真入りインタビュー記事が載っていた。この新聞では「音楽ア・ラ・カルト」というコラムを週一回のわりあいで連載していて、相変わらずぼくの感性を刺激しているのであるが、これがついに200回に達したのだそうだ。夕刊の紙面レイアウトが変わる時期でもあり、ここで一度、天辰さんという人を紹介しておこうというような新聞社のサービスもあっただろう。
 初めて顔写真を見たのだが、ほぼ想像通りの人であった。全共闘世代。ビートルズボブ・ディランニール・ヤングを好きで聴いてきた人なのだそうだ。ぼくはかろうじてボブ・ディランの後期、ニール・ヤング全編といったところ、五年か六年くらい後ろを、天辰さんの影を踏むようにして音楽史を辿ってきた。
 天辰さんには、長くいろいろな音楽を聴いてきた人だからというだけではなく、その感性の面で教えられ感化されることが多かった。ますます自分のロックびたりである感性を、誇りを持てるほどに強化してくれた人でもある。まだまだ「音楽ア・ラ・カルト」の連載記録を伸ばしていってほしいし、毎週ぼくの涙腺を刺激してもらいたい、とひそかに願っている。