シュンの日記なページ

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札幌の春の足音

 札幌の春は遅いので、たいていの場合ゴールデンウィークの頃まで降雪を見ることも珍しくはない。五月の連休をすぎると桜も梅も躑躅もみんな一緒に咲く。花見の季節も連休明けということになるのだが、夜桜となるとまだまだしばれるために、円山公園ではたいていバーベキューセットを用意してジンギスカンをつつきながらの花見と洒落込む。上野公園での花見を何度も楽しんできたぼくにとっては、公園で炭火を熾すということ自体が驚異的な寛容さであるように思えるのだが、寒さのなかで花見を済ませなくてはならない札幌の住民にはこのくらいのことは多めに見てもいいというところに、結局のところは落ち着く。

 夏になると海水浴ビーチに車を乗り入れて、ここでもバーベキューセットを持ち込んで、海なんかそっちのけでジンギスカンを楽しむ。海水浴場に車を乗り入れたり、浜辺で炭火を熾したりすることが、ここでも許されている。短い夏の海水浴シーズンは事実上一週間しかない、ということも多い。ここでも結局札幌の住民は寛容さを見せてもらうことになる。

 寛容さを適用したくないのが、真夜中の暴走族たちだ。今年は初めて暴走族のエンジン音が真夜中に鳴り響いた。そう言えば、昨日は+12度まで気温も上がって札幌では四月上旬なみの暖かな一日となった。今年は多かった積雪も道路脇で次第にとけてゆき、ようやく路面が露出し始めた。テレビニュースでも道路のライン引きが開始された様子を取り上げている。

 道路が乾くと札幌北部の暴走族は海を目指したがるらしい。札幌市の中心部と石狩湾新港との間に位置する我が家では、海辺でその夜の遊びに飽き足りた暴走族が家路につく時間帯が轟音のピークとなる。幸い我が家は大きな道路から随分引っ込んだ住宅地にあるからまだ救われているものの、この爆音の季節は秋になって冬がくるまで続く。

 そろそろうちのチビスケも自転車のタイヤに空気を入れたり、歩いておつかいをできるような季節になった。冬ごもりが終わったな、といろいろなところから感じ始めている。札幌の春がじつにゆっくりとした足音で歩いてきている。