20年目のお別れ
最後の三試合で一年をダメにする。いつかもあったよね、こういうこと。浦和レッズに運がないのか、未だ完成を見ないチームであるからなのか。きっと両方だよね。
5万4千人の前でサッカーをやれる選手たちの「名誉と不安と二つ我にあり」って心境が、よかれ悪しかれ原因になっているのかな。未だ器だけでビッグクラブと称しているレッズの虚ろな部分にどうしたら熱や光が詰まって硬質なものになるのか。
だからと言って浦和レッズはやめられない。『好きにならずにいられない』で始まったこの日の応援は、来季も最初から飛ばし気味に行われてゆくだろう。勝利しか願うことができない。それが浦和魂ってものなんじゃいかな。
ところで、今日は山田暢久のお別れセレモニーだった。ぼくがARESのウィンブレに唯一もらったサインは山田暢久のもの。しかも背番号は2。サイドバックの象徴のような選手がいつか脱皮してなんでもこなすようになり、浦和の象徴となってゆく。20年の重みを引っさげて、この日の大敗の辛く重く、ともすれば分裂だってしそうなスタジアムの空気を一つにしてしまった男。こともなげに。それが山田という男のグレートぶりである。有難う、山田がいた20年。山田がいたレッズ。
さて、その夜。
二反田さんご夫妻を日高より迎えて、北海道レッズ・サポの納会は、浦和駅にとても近い四十八漁場で開催された。
一年間、皆様、お疲れ様でした。来年は優勝祝賀会で美酒を浴びたいものです。