ニラレバ青春譜
東京はすっかり夏だ。まだクールビズじゃないんだっけ、との声が聴こえるくらい。
朝の芝増上寺の空は青く、芝大門の木立には光が撥ねている。
ただ仕事に出るだけではなく、少し早めに出て、オフィスのある土地を散歩し、裏路地を辿って、ここはという風景に出会ったときにシャッターを切る。都会のささやかな遊び心。
仕事を終えて、今夜も歯科医でデンタル・クリーニング。麻酔をかけ、それが醒めるのに時間がかかるので、ゆっくり料理を作る。
左からニラレバ炒め、昨日に続きグリーン・リーフとトマトのサラダ、そしてポテトサラダ。夏メニューなのだ。ニラレバは、ニラとモヤシがあればできる真空パックというのを試してみたのだが、その安易さが失敗であった。味付けが濃すぎるし、甘すぎるのだ。今度は自分でレバを切って自分で味付けをしよう。
そう言えば、十代の昔、つきあっていた彼女の家族と彼女の父の会社の別荘を借りて一緒に数日過ごしたとき、ニラレバ炒めを二人で共同で作り、彼女の家族に饗したということを唐突に思い出した。ニラとレバしか使わない無知の料理だったが、彼女の両親は喜んでくれた。しかし、それ以来ニラレバ炒めを作ったことがないと思う。好きな料理なのに。