馳星周の三連ちゃん終了。『弥勒世』『やつらを高く吊せ』に続いて、本日『9・11倶楽部』読了。三作とも良かったと思う。それぞれに作品の個性と広がりが出ていて、一頃中国マフィアにばかり頼っていた馳星周の将来が心配されていたのだが、考えてみれば、彼も40代になるのだよな。大人の小説が書けて当然だ。特に『9・11倶楽部』は、歌舞伎町を舞台にした中国移民ものなのだけれど、初期から見ると、物語が膨らんで、小説世界もとても豊かになったように見える。馳星周に関しては一頃友人づきあいをさせて頂いていたので、未だに他人事のようにはとても思えず、こういう小説を読むと素直に嬉しいのである。