シュンの日記なページ

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シリーズ黄色い涙

 昨日をコピーしたような一日と言いたいが、それは少し違う。本を読み進めるということは、心の中でいろいろなものが眼に見えぬ変化を遂げているからだ……などという屁理屈を言う気はない。一日一日は似て非なるものなのである。毎日が本当にコピーされた日だったら、人間は生きてゆくことができないだろうね。

 故・永島慎二の伝説のコミック『フーテン』のなかで、社長職を捨ててフーテンになる人物のことが書かれている章があるのだけれど、社長職の日々を、伝説的漫画家はコピーされたロボットのような一日として描いている。でも実際にはそんな社長では企業は競争社会を生き延びて行くことはできない。

  

 フーテン(全) (ちくま文庫) asin:4480022619 

 逆に『若者たち』というコミックでは(最近「黄色い涙」というタイトルで映画化されたものだ)、若者たちの毎日あまり変化のない日々が賞賛されるべき自由で心豊かな風景として描かれている。
 
 

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 伝説的漫画家である永島慎二は、当時(1960年代?)のぼくら少年たちの純粋な心を、作品でもってくすぐり、自由への憧れや、現実の苦味を「シリーズ黄色い涙」という作品たちでもって、ワクチンの予防接種をしてくれていたのだ、ある意味では。

 10代終わりの頃に交際していた女の子の母親が詩の同人に入っていて、私が貸した永島作品の「シリーズ黄色い涙」という表現にとても詩情があるといって驚いていたことなども同時に思い出す。当時自身詩を書いてもいたけれど、そんなものかなと逆に驚いた。そのお母さんの詩から二作ほど頂いて、オリジナルの歌を作ったことなど、今さらながら思い出してしまう。