迷いカモメ
麻生の空を見上げると、カモメが啼きながら南東方向へ飛んでゆく。海は30kmも西にあるのに、そちらの方から飛来し、さらに内陸を目指して、甲高い声で泣き叫びながら、大空を飛んでゆく。完全に道に迷っているんじゃないのか。おっと、「道」じゃなくて、「空に迷って」と言うのか。
釧路の町中では車に轢かれて死んだカモメを見ることがあるけれど、札幌の町なかに海鳥がやってくるのは珍しい。カモメは淡水の河川や湖沼でも、休むことができるのだろうか。
いろいろな疑問を抱きながら、車に乗った。カモメの飛んだ同方向目指して、ぼくは高速に乗る。太平洋に出て、室蘭まで走るのだ。カモメもまた、日本海から太平洋まで辿り着くことができるだろうか?