萬月氏宅銃撃さる
花村萬月氏の自宅が銃撃されたニュースを、昨日、ぼくはとり千にて焼き鳥を齧りながら見ていた。ちょうど東直己新作についてマスターと語り、隣のカウンター席にいらっしゃった寿郎社の社員の方と知己を得た夜。
今日は萬月氏の公式ホームページ ブビヲの部屋に、氏本人からの日記も掲載されている。萬月に自分のことを書かれたとの理由からの銃撃であったらしい。
小説は戯作。しかしそこから現実との接点が立ち上ってきて、ときには銃弾だって飛んで来るのだろう。ジョン・レノンだって撃たれたんだ。……って関係ないか。
とにかく「自然は芸術を模倣する」などと小林秀雄の言葉などをいつも常に思い出すのだが、萬月氏の昨夜のニュースを聞いたときには、日本酒のコップを傾けつつ、マスターと一緒に叫んだ内容は「格好イイ!」であった。萬月という作家だから起こり得るような事件だぜ、ってわけだ。
真の萬月ファンを勝手に自称するぼくとしては、札幌の酒場の片隅よりどうしたってエールを送りたくなるではないか。やはり連休には彼の新作『私の庭 浅草編』に取り組もうと決めた。『私の庭 蝦夷地編』にたどり着く時代長編みたいだから、かなり楽しみなのである。