『このミス』投票迫る

　『このミス』の投票間近。今まではきちんとこれが最も面白かったと思う作品を単純に羅列して投票してきたのだけれど、今年からは意識して有名作家の有名作品を外してみようかと考えている。国内作家の場合どうしても新人発掘まではできないし、著名な作家に頼りがちになってしまうのだけれど、翻訳小説の場合はいくらでも後から後から新人が現われたり、半世紀も後に訳出される魅力的な作家が登場したりする。海外ものに関しては、だから敢えてトンプスン、コナリー、ディーヴァー、クライトンなど、本当に面白いと思った作品であっても大御所のものは外そうと思っている。彼らの作品であれば、本当に好きな読者は黙っていても読んでくれる。だからこそ、『このミス』で初めて知っていただくというような作品を中心に投票作を考えようと思っている。その方が実は投票自体に難しさがある。生半可な作品などは選べないという緊張がある。無名であっても（あるいは昔の作家であっても）応援したくなるような作品を是非選びたいと思っている。