ナッシュビル
I'm Easyって曲を連夜ギターを弾きながら歌っている。キース・キャラダインの歌で、「ナッシュビルのテーマ」(映画『ナッシュビル』のサントラ)として、ひと時ヒットした歌だ。
キャラダイン3兄弟が一気に出た映画としては、ウォルター・ヒルの『ロング・ライダース』があるが、いずれも顔もかっこよくって、歌も上手いっていうところが凄い。長兄のデヴィッド・キャラダインは『燃えよカンフー』で東洋人役をやるという無茶をやってはいたものの、ウッディ・ガスリーの役もこなし、ちゃんと歌もこなした人である。このヴォーカルがなかなかいい。This Land Is Your LandとかHard Travelin'とか、渋い歌を渋くダイナミックに歌うのだ。ああ、また聴きたいなあ。
ちなみにウッディ・ガスリーの息子のアーロ・ガスリーの歌、Mr.Custom Manもよい。これは映画『ウッドストック』で全米から農地にヒッピーや聴衆が(別に二者の区別はないか)次々と集まってくるシーンでバックに使われている。
ぼくの場合、こうして映画にインスパイアされて音楽に嵩じたケースが多々ある。
そう言えばこないだブルーグラス・フェスで、ユキヒロがバンジョーに取り付かれたのは映画『駅馬車』のレコードを聴いたときに、バンジョーってなんて格好いいんだろう、と思ったことかららしい。
ちなみにぼくがギターに取りつかれたのは、小林旭の『ギターを抱いた渡り鳥』のせいではないし、寺内タケシやマイク真木のせいでもない。おそらく一番影響を与えてくれたのは初めて自分で買ったLPレコード『森山良子イン・ナッシュビル』だったろう。
ナッシュビルのテーマを連夜弾いている今、その原点にあのレコードがあるとまではこじつけたくないのだが、少しばかり、その後の音お好みとなってゆくための原風景のようなものは、そんな身近な場所に潜んでいたのではないか、というような気がする、