シュンの日記なページ

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さらば、ジェシカ・エンジェル


 朝イチで、朝食を掻き込みながら、未明に行われたワールドカップ三位決定戦を録画観戦。三位決定戦は負ける心配がなく攻撃的になって面白い試合が多いと解説者たちが口を揃えて言うとおり、これまでの試合に見られたある種の慎重さが両チーム共にあまり見られず、取られたら取り返そうという、攻撃的な姿勢が見られて本当に面白いゲームだった。ドイツはクローゼやラームが出ていないので不安だったけれど、不調のエジルはともかく、やっぱりミュラーシュバインシュタイガー(ミスは痛かったけれど、他は素晴らしかった)などがよかった。フリードリヒはドルトムントに移籍するので長谷部のチームメイトになるのだそうで。いいね、いいね。

 ゴルフバッグのファスナーが壊れたので、近所に新品を買いに出かける。ノーブランドだと一万円もしないものがあってけっこう安いのだ。中古もあったけれど、汗の沁みつくキャディバッグはやはり新品が……。グラブや、失くしてしまうことの多いパター・キャップも買い込み、これで北海道でのラウンドへの備えができたぞっ、と。

 雨が降り出す中でスノウブレードが当たり前だけれど雨をはじかない。スタッドレスタイヤは水溜りで空転する。タイヤはともかく、ワイパーブレードは車用品店で購入した。サイズを測るのに持ち込んだスノウブレードを見せると、変わったワイパーですね、と言われる。関東の店員はスノウブレードを知らないのか。そうか。

 途中、月形に本店のあるラーメンのむつみ屋があったのでそこで夕方だというのに、矢もたてもたまらず北のめぐみラーメンを食べてしまった。少し鋭い感じがあるのは、やはり本店のクリーミーの完成度の領域には達していないということかな。

 そう言えば、R16では山岡家も見たし、どこかで味の時計台ラーメンも見たし(それらには別に衝動で飛び込まなかったけれど)、札幌のチェーン店は確実に進出しているのであるな。

 ついでというのではないが、イイダで珍しく並んでいたイクラ醤油漬を買ってきた。あまり上手には浸かってなかった。でもご飯にかけて掻き込むとやはりたまらん。

 CSINY5の最終回。あー、とっても好みのタイプだったジェシカ・エンジェル刑事(エマニュエル・ヴォージア:右上写真)が冒頭から撃たれちゃった。タイトルが「殉職」だし。しかも最後は、メンバーが集まっているレクイエムの酒場にマシンガンが掃射されるシーンで半年以上のお休みに入る、いつもこうだ、CSIは。気を持たせやがって。
 そういえばエイディン・バーン刑事も好みだったのに第2シーズンで去ってしまったのだった。こちらの女優ヴァネッサ・フェルリトはタランティーノの『デス・プルーフ』で元気な姿を見せてくれたけれど。

 夜行観覧車

 湊かなえ夜行観覧車』読了。事前に、湊かなえが、メディアで、或る程度ストーリーをかたっちゃっているのをご存知だろうか? ミステリなのに。信じられないよね。殺人者がいる一方で、殺人を思いとどまる普通の人がいっぱいいる。殺人者と殺さなかった人の差はわずかかもしれないが、それを止める人の存在によって殺人者にならずに済んでいる多くの人が存在する。本書ではだから******(作者によるネタバレ)のケースを書きました、って言っちゃってるのだ。そりゃないよな。
 まさに作品のクライマックスに当たる部分で登場人物が語る言葉なのに、それをメディアで(TVだったか活字だったか覚えていないけれど)作者が喋っており、それをぼくは先に見ちゃった。なので、結末を知りながら読んでいるのだ。
 物語は二つの家族を描いてゆく。一方はリスキーで一触即発で崩壊しそうな家庭。一方は殺人事件の渦中にある家族。厳密にはそれを見つめる狂言回しのようなオババが出てくるのでこのトリオが三拍子でワルツを奏で、観覧車のように回ってゆくストーリーなのである。
 ストーリーは読み始めたら多分止まらない緊張感があるけれど、やっぱり女性作家の視点になるミステリであるかなと思う。マイホーム、山の上と下の貧富差(黒沢映画『天国と地獄』のようだ)、友達や同僚との微妙な会話、家族、親子、夫婦、などなど。高次元の話題など一切眼中になく、何となくリアルで現実的な等身大の世界を行き来するからこその怖さ。
 ここのところ湊かなえは、面白い、つまらない、面白い、つまらないの順番で本を出しているような気がする。『Nのために』はつまらなかった。だから本書は、とても面白かった。
 ネタバレがなければ、もっと楽しめたのにな。